エアコンの取り付け時に失敗しないために注意するべきこと

エアコンの取り付けは、どうやって行うのか知らない方も少なくないでしょう。業者に全て任せている方も多いのでは?

エアコンの取り付けは難易度が高く、事前の確認と慎重な作業が求められます。難しい理由は、必要な道具や手順が多く失敗すると破損や故障につながるからです。そこで取り付けを失敗しないための注意を中心に、作業の流れや必要な道具まで解説します。事前に注意すべきポイントを把握し、取り付けの失敗を防ぎましょう。

エアコン取り付けの流れと必要な道具

エアコンの取り付け作業を失敗しないために、具体的な準備や手順を事前に頭に入れておきましょう。ここでは、エアコン取り付けに必要な道具と、作業の流れついてそれぞれ解説します。

取り付けに必要な道具

まず、取り付けるために必要な道具について解説します。次の道具が必要です。

  • フレアツール(配管の端をフレア加工する:接続のため)
  • 真空ポンプ(配管内の真空引きに使用)
  • トルクレンチ(配管パイプの接続:トルクの締め付け)
  • マニホールド(配管内の空気圧測定)
  • コアドリル(壁の穴あけ)、電気ドリル(据付板の設置)
  • リーマー(配管切断面のバリ取り)
  • パイプカッター(配管の切断)
  • ドライバー、レンチ(モンキーレンチや六角レンチ)
  • ガス漏れ検知器(配管のガス漏れ確認に使用:ガス漏れスプレーでも可)

専門的なものが多く、通常のDIYなどではあまり使用しない道具です。それだけに、事前の準備をしておかないと作業が中断します。他にも部材として、ドレンホース(排水に必要)やプラブロック(室外機設置に使用)、ペアコイル(冷媒配管)、渡り配線、配管テープ、パテなどが必要です。

道具一式を購入すると、60,000~70,000円程度かかります。お得な取り付け工具セットも販売されているので、検討してみましょう。さらに費用を抑えたい方は、レンタルも利用できるので必要に応じて準備してください。

取り付け作業の流れ

取り付け作業の流れは次の手順で行います。

  1. 壁に配管パイプを通す穴を開ける
  2. 室内機の据付板を設置し、室内機を取り付ける
  3. 配管パイプにフレア加工を施し、冷媒の配管パイプを接続する
  4. 排水で必要なパイプなどを設置する
  5. 真空引きの作業の後、ガス漏れ確認を行う
  6. 冷媒ガスを開放し、室内機と室外機を渡り配線で結ぶ
  7. 最後に壁穴の隙間をしっかり埋め、室内機の動作確認を行う

自分で作業をする際は、時間に余裕を持ち手順を把握した上で取り付けを開始しましょう。急いで雑な作業をすると、取り付け失敗につながります。作業手順が抜けたり接続部分から漏れが発生したりして、破損や故障の原因になりかねません。最初から業者に依頼するよりも修理の費用負担が大きくなる場合もあるため、慎重に作業を行いましょう。

エアコン取り付け時の注意点

エアコンの取り付けは、作業ミスが破損や故障の原因になりかねません。ここでは、エアコン取り付け時に注意すべきポイントを解説します。

エアコンの取り付け場所の注意

エアコンを取り付ける場所には十分注意します。部屋の間取りが長方形の場合には、幅の狭い側に設置するのがポイントです。エアコンの両サイド側は、風を運びにくい場所のため、出来るだけ狭い方が理想です。部屋の幅が狭い部分にエアコンを設置すると、部屋全体に風がいきわたります。

部屋の窓やカーテンレール、ドアの状況確認も、設置場所の大切な注意ポイントです。天井と窓やカーテンレールの間に、エアコンを設置するだけのスペースがあるか確認しましょう。エアコンの下も、空気の通り道としてある程度の空間が必要です。また、ドアがエアコンにぶつからないかも確認する必要があります。

配管を通す穴を開ける際の注意

エアコンの設置には、室内機と室外機の間に必ず配管が必要です。その際に壁に穴を空ける作業が発生します。そのため、賃貸の場合は不動産会社や大家さんの許可が必要です。穴を空ける許可が下りない場合もあるため、エアコン購入前に必ず確認しておきましょう。

また、壁の材質や穴をあける場所の状況にも注意が必要です。壁の材質が木材なら問題ないでが、コンクリートの場合には業者に依頼します。壁内の筋交いなどがないかも確認します。筋交いを傷つけると、建築強度に問題が生じる場合もあるため注意が必要です。

エアコンの配管接続時の注意

エアコンは配管内を冷媒ガスで充満させます。そのため、フレア加工時の処理不良や、配管内のほこりやごみは稼働効率を低下させる原因です。配管接続は慎重に行いましょう。バリ取りなどで接続面をきれいに加工し、配管内にゴミなどがはいらないようにカット面の調整を行いましょう。

接続の際、配管の向きにも注意が必要です。バルブには、送り出す側と受ける側があるので確認して設置しましょう。また、接続部分のナットは不良なものもあるため、接続前に問題ないか確認しておくのも注意ポイントです。

真空引きでの注意

真空引きとは、配管内を真空にする作業す。配管内が真空になったら、冷媒ガスで充満させます。冷媒ガスで充満している割合が高いほど、エアコンの稼働効率も上がります。

配管内の空気を追い出すには、費用はかかりますが、出来るだけ真空ポンプを使用した真空引きを行いましょう。

冷媒ガスを用いて配管内の空気や水分を放出する「エアパージ」という方法もあります。しかし、「エアパージ」では、配管内の空気の完全な除去は困難です。

真空引きをする際、「マニホールド」という空気圧測定器を使用します。真空引き途中、接続などで漏れが発生すると、「マニホールド」の値が0からプラス方向に動くのです。ガス漏れが発生すると真空引きが正確に完了せず、エアコンの稼働効率が落ちます。真空引き終了後ガス漏れの有無確認として、10分そのままにして「マニホールド」の値が-0.1MPaでキープしているか検査しましょう。

室外機を取り付ける際の注意点

エアコンの室外機を設置する際には、いくつか注意ポイントがあります。

  • 設置場所の周辺スペース
  • 設置場所が水平
  • 出来るだけ直射日光があたらない場所
  • 室内機と距離を近くする

それぞれについて解説します。

設置場所の周辺スペース

室外機の設置は、周辺スペースが確保できる場所を選びましょう。

室外機は、室内機で取り込んだ室内の熱を外に放出する働きがあります。また、室外機の熱交換器で熱を取り除かれた冷媒は、室外機によって室内機まで送り出されるのです。

室外機の周りにある程度のスペースがない場合、放出した熱が障害物で跳ね返ってしまい冷却不完全な冷媒が室内に送り出されます。そのため、部屋が十分冷やされず、稼働効率が落ちるのです。障害物によって熱が滞留してしまうため、火事の原因にもなりかねません。

設置場所が水平

室外機が傾いた状況の場所に設置されていると、正常作動せず大きな振動の原因になります。通常でも、ファンを回転させているため振動が発生します。水平でない場合、室内でもわかるほどの大きさの振動になる可能性があります。体調を崩したり、騒音の原因になったりするので注意しましょう。

出来るだけ直射日光のあたらない場所

直射日光があたると、室外機の温度が上昇します。室外機の温度が上がってしまうと、熱を取り除く効率が下がります。そのため、室外機に余計な稼働負担がかかるのです。室外機の性能も室内の冷却効率も落ちるため、日よけなどで直射日光を防ぎましょう。

室内機との距離を近くする

室内機と室外機は、配管内の冷媒の循環によって稼働しています。双方の距離が近いほど、効率良く循環して室内の空気を冷却できるのです。室外機が遠い場所にあれば稼働効率も落ちます。そのため室内機と室外機の両方に過剰な負担がかかってくるのです。

まとめ

エアコンを取り付ける際の注意点を中心に、取り付けに必要な道具や流れを解説しました。取り付けには専門的な道具や知識が必要です。前準備をしっかり行った上で取り掛かりましょう。特に真空ポンプなど普段使わないような道具は代用が効きにくく、準備不足の場合作業を中断させる原因にもなります。取り付けに失敗した場合、業者に依頼する以上に費用がかさむ場合もあるのです。

自分で取り付けるのに自信がない場合は、エアコンの取り付け業者への依頼をおすすめします。

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