エアコンが冷えないのはガスがないから!?ガス充填は自分でできるの?
エアコンが稼働しているのに、なかなか冷えない・効きが悪いと感じることはありませんか?
エアコンが冷えない原因はいくつかありますが、エアコンと室外機をつなぐパイプ内のガス不足が原因かもしれません。
そこで今回は、エアコンのガスの役割とガス漏れが発生する原因と対策、自分でできるガス充填方法や業者のガス充填料金の相場について解説します。
エアコンのガスの役割は?
エアコンは、室内にたまっている熱を吸い込み、室外機から外に熱を排出します。熱を排出し、冷たい風を室内に送り込むことで室内を冷やす作りになっています。
エアコンと室外機には、それぞれ「熱交換器」という熱をはがしたりくっつけたりする機器が設置されています。
室内にたまっていた熱は「熱交換器」ではがされ、「冷媒(れいばい)」と呼ばれる物質のガスにくっついてパイプを通って室外機まで運ばれます。
その後ガスは、再び冷えた状態でエアコンまでパイプを通って移動します。このガスの循環によって冷えた空気を室内に届けているのです。
ですから、ガスが不足すると熱を室外機まで運ぶ働きが低下します。
また、熱をはがされたガスがエアコンまで戻ってこなくなるため、ガスが循環せず、冷たい風を室内に届けられなくなります。
エアコンが冷えない時のガス漏れの原因と対策
ガス漏れが原因でエアコンが冷えない場合、いくつかの症状がでます。次のような場合には、ガス漏れの可能性があります。
- 効きが悪いけれど、エアコンから風はでている
- エアコンのエラーランプが点灯している
- パイプ・配管に霜がついている
- 熱交換器に霜がついている
- 室外機側の接続部分が黒くなって油がついている
本来であれば、エアコンと室外機を循環するガスが突然なくなることはありません。
では、なぜガスがなくなってしまうのでしょう。ここでは、ガス漏れの原因と対策について解説します。
エアコン取り付けの際のミス
転勤や引越しなどでエアコンを購入したり移動したりする際、販売店や業者が取り付け作業を行います。
その際、取り付けのミスでガス漏れが起きることがあります。取り付けミスで多いのは配管の接続ミスです。
販売店や業者は、フレア加工という作業で配管を接続します。
フレア加工とは、配管の端を広げてエアコンや室外機の接続部分にかぶせてはめる作業のことです。
多くの場合、この時に発生した亀裂などがガス漏れの原因になっています。心当たりがある場合は、すぐに取り付けた販売店や業者に連絡しましょう。
パイプ・配管の劣化
ガス漏れは、パイプや配管の劣化でも発生します。
長年使用していると、雨風などでパイプ・配管に劣化が起こってしまうことも。特に海や温泉に近い場所では、塩害や硫酸ガスなどによってさらに劣化しやすくなります。
お住まいの地域にもよりますが、エアコンや室外機の配管に霜がついていないか定期的に確認すると安心です。
エアコン接続部分の破損
掃除や取り付けの際、配管の接続部分に破損が生じる場合があります。
配管の接続部分を無理やり動かした時などに破損が生じます。掃除や取り付けの際は、接続部分がデリケートなことを意識しましょう。
ガス不足以外の主なエアコンが冷えない原因
エアコンが冷えない場合、ガス漏れの他にもいくつかの原因が考えられます。他に考えられる原因について解説します。
室外機が原因の場合
室外機周辺や吹き出し口が密になっていたり塞がれたりしていると、エアコンが冷えにくくなることも。
排出した熱がこもると、室外機の機能低下を引き起こします。
また、排出した熱の跳ね返りによって、エアコンの効きが悪くなります。さらに、直射日光や汚れなども機能低下の原因に。
直射日光は、室外機の動作温度範囲を越える原因になりかねません。汚れや目詰まりによる機能低下は、余計な負荷をかけ効きを悪くするので注意が必要です。
エアコンの汚れが原因の場合
エアコン自体に汚れがたまった場合、エアコンの効きが悪くなり冷えにくくなることがあります。
フィルターにほこりがたまった場合は、掃除機などでキレイに吸い取れば解決します。
しかし、熱交換器など内部に汚れがたまってしまった場合には、自分で清掃することは困難です。料金はかかりますが、クリーニング業者に内部洗浄を行ってもらうのがいいでしょう。
ガス不足でエアコンが冷えない場合のガス充填方法
ガスの充填作業は、基本的に個人でも行えます。手間はかかりますが、チャレンジしてみたい方はぜひ参考にしてください。
ただし、個人でできるのは「ガスの充填」のみです。劣化や故障によるガス漏れがある場合には、近いうちに修理が必要になります。
ガス不足が原因でエアコンが冷えないことを確認する
ガス不足の可能性がある場合は、まずガスが本当に不足しているのかを確認する必要があります。
確認の手段は主に2つ。配管接続部分に霜がついているかを確認する方法と、ガス漏れ検知器で確認する方法です。
より確実なのは検知器を使った確認方法です。
検知器は2000円~5000円程度で購入できますので、ガス漏れの場所を特定するためにも購入がオススメです。
ガスの残状況と冷媒の適正量を確認する
ガス不足が原因と判明したら、次に行うのはガス残量の調査です。
ガスを充填する前に一旦残ったガスを空にする必要があります。高圧バルブを開けて、ガスが吹き出さなければ空の状態です。
残っている場合には、この後の真空引きができませんので、まずはガスを抜いてしまいましょう。
ガスが空の状態になった後は、冷媒(ガス)の適正量を確認します。
室外機裏面や側面に記載されていますので、ガスの種類と量を必ず確認してください。
エアコンと室外機を銅管で接続し、必要な器具を室外機に接続する
エアコンと室外機が接続されていない場合には、しっかり銅管で接続します。
次に行う真空引きのために低圧バルブと高圧バルブの両方を開け、マニホールドという道具を室外機の低圧バルブと真空ポンプに接続します。
接続が終了したら、真空引きを行います。
真空引きとはエアコンや室外機、銅管のすべてを真空状態にする作業のことです。この作業は1時間程かかります。
真空状態になったら、マニホールドを閉めてから真空ポンプを閉めてください。
この順番が重要で、先に真空ポンプを閉めると、真空状態が台無しになりますので気をつけましょう。
ガス充填後バルブを閉めて完了
真空引きが完了したら、ようやくガスの充填を開始します。
計測しながらガスが7割程度入ったのを確認できたら、エアコンを稼働させながら少しずつバルブを開閉させてガスを入れていきます。
少しずつガスを入れるのは、ガスの入れすぎのを防ぐためです。最後に動作確認をして、作業完了になります。
ガス補充を業者頼む場合の料金相場
ここまでで、自分でできるガスの充填方法を紹介しましたが、難しく手間もかかるため、エアコン修理のプロに任せるのが最も無難です。
料金相場は、2万円前後と決して安くはありません。しかし、自分で行って失敗や不備があると、それ以上の料金や手間がかかってしまうこともあります。
特にガス漏れの場合は、修理と専門知識が必要です。エアコン修理のプロである業者に任せた方が安心と言えるでしょう。
まとめ
今回は、エアコンのガスが冷えない原因の1つである「ガス不足」にポイントをおいて解説しました。エアコンに使われるガスは、本来減ることはありません。しかし、エアコンが冷えないのなら、ガス漏れの可能性があることも頭に入れて原因を探ってみましょう。